【まとめ】駐在員家族のニューヨーク郊外物件の選び方【夢のような生活のおすすめとコツ】
前回まで、駐在員家族が、初めてNYに赴任し、NY郊外の物件を賃借することを前提に、僕なりの、ノウハウを記載してきました。
今回は、NY郊外の物件の選び方の「まとめ」として、これまでの記事で書ききれなかったポイントも補足しながら、振り返りたいと思います。
居住地域
NYに家族で赴任する場合、子供が二人以上いれば、マンハッタンのアパートメントに住むのは現実的ではなく、郊外の物件を探すことになります。
マンハッタンまでは電車通勤となり、多くの日本人駐在員が、New Haven LineやHarlem Line沿線に住んでいます。海側のHew Haven Lineなら、ハリソン・ライ・ママロネックなど、内陸側のHarlem Lineなら、タカホ・クレストウッド・スカースデール・ハーツデールなどになります。
<参考記事>
【Harlem Line】ニューヨーク郊外からマンハッタンへの電車通勤①【New Haven Line】
【車掌の改札】ニューヨーク郊外からマンハッタンへの電車通勤②【エスカレーターの立ち位置】
New Haven LineとHarlem Lineは、Grand Central駅出発後、しばらくは同じ線路を走り、途中で枝分かれします。別路線の街同士でも、車では15分程の距離に過ぎず、居住後は、頻繁にお互いの街を行き来することになります。
どの街に住もうとも、日本の住環境と比較すれば、遥かにクオリティの高い生活が待っていますので、必ずしも、路線で絞り込む必要はなく、いずれの沿線も見学し、気に入った物件を見つけた街に住めば、十分満足できるはずです。
<参考記事>【駐在員家族】ニューヨーク郊外の居住地選び
なお、New Haven Lineの先は、緑豊かなコネチカット州で、グリニッジなどの、高級住宅街が広がり、マンハッタンへも通勤圏内となります。僕は、こちら方面は、あまり知見がないのですが、住んでいる人に聞くと、素晴らしい住環境のようです。
日本の東京近郊を例にすると、「コネチカットは鎌倉、ニュージャージーは千葉」のイメージと聞きます。日本では、都心から離れるほど、不動産価格は下落する傾向にありますが、当地では、コネチカットは、お金持ちの住宅地としてのステイタスを確立しています。
学区と日本人の多さ
多くの駐在員家族は、現地校に通わせています。現地校には、一定数の日本人もいるうえ、ENL (English as a New Language) のクラスも充実しており、小学生の中低学年までの子供であれば、比較的スムーズに溶け込んでいる印象です。
日本同様、「人気の学区」はあるものの、日本人駐在員に人気の居住地の学区であれば、それほど優劣はないように感じます。通学区が気になる方は、”GREAT! Schools” というサイトで、各学校のRatingや、人種構成などを、見ることができますので、参考にしてください。
<参考記事>【駐在員が住む学区は大差なし】ニューヨーク郊外物件の選び方⑧【Great! SCHOOLSで小学校の学年をチェック】
当地での、日本人の多さについて、特に駅近物件では、3軒連続で、日本人家族というケースも、珍しくありません。
「日本人が極力少ない方がよい」との考えであれば、駅から遠い物件や、Hudson Lineなどの日本人に馴染みのない沿線にすれば、目的は達成できますが、治安面での問題があったり、逆に経済的に恵まれすぎている人に囲まれ、気後れするという話もあります。日本人がいることのメリットも多いので、慎重に検討することをお勧めします。
不動産仲介業者
多くの駐在員は、日系の不動産仲介業者を利用しています。米系業者と比較して、仲介手数料が高くなる傾向がありますが、様々なサポート面で、安心感はあります。
ただし、自らの労力を厭わないのであれば、物件の検索方法や、仲介業者の選定を工夫することなどにより、数千ドル単位で、節約ができることも事実です。
<参考記事>【駐在員家族】ニューヨーク郊外物件の選び方②【日系不動産仲介業者】
水害リスクと歩道リスク
個々の物件を検討する際には、まず、夏場の「水害リスク」と、冬場の「歩道リスク」を確認してください。
つい最近も、知人が、夜中の豪雨により、朝起きたら、地下室と駐車場が水浸しになっていたと、嘆いていました。「水害リスク」は、頻繁に顕在化するリスクになっていますので、特に注意してください。
<参考記事>
【駐在員家族】ニューヨーク郊外物件の選び方①【水害リスク】
【歩道の雪かきは居住者の責任】ニューヨーク郊外物件の選び方⑦【Googleストリートビューが便利】
物件の住所が分かれば、Googleストリートビューで、周辺環境や、駐車場の構造を確認することができますので、事前に、「水害リスク」「歩道リスク」の観点から、検討することをお勧めします。
一軒家・デュプレックス・アパートメント
当地の住居は大きく分けて、3つの居住形態があります。特に、デュプレックスは、当地独特の形態で、一つの建物の中に、2軒が連なった構造で、入り口や駐車場が、それぞれ二家族分、用意されているものです。
<参考記事>【一軒家・デュプレックス】ニューヨーク郊外物件の選び方③【アパートメント】
それぞれに良さがありますが、僕個人としては、せっかくNY郊外に住むのであれば、広い庭付きの一軒家とし、日本では味わえない経験をするのも、悪くないと思います。
ただし、庭付き一軒家にするのであれば、賃貸借契約の中で、芝生の管理を、大家負担とすることを忘れないようにしましょう。
<参考記事>【トランポリン】ニューヨーク郊外物件の選び方⑥【契約で芝生管理は大家負担に】
冷暖房・地下室・ガレージ
当地の家では、日本のような「エアコン」が設置されていることは稀で、冬場の”Heat”と、夏場の”A/C” が別系統になっていることが、一般的です。”Heat” はガスまたは石油、”A/C” はセントラルまたはWindow Unitなど、様々な形式がありますので、物件選びの際には、必ずチェックしてください。
また、光熱費は、一軒家の場合、冬場のピークで500ドルほどですが、窓が「ペアガラス」になっていない場合、光熱費が跳ね上がることがありますので、物件見学の際には、「ペアガラス」の有無を、確認してください。
<参考記事>【冷暖房の方法】ニューヨーク郊外物件の選び方④【ペアガラス必須】
地下室やガレージは、日本では一軒家でも、なかなか手に入れることができないので、ワクワクする設備です。地下室は、”Finished” “Unfinished” の違い、ガレージは、無理なく車を駐車することができる大きさがあるか、をチェックしてください。
<参考記事>【地下室とガレージ】ニューヨーク郊外物件の選び方⑤【LINEアルバムの活用】
また、洗濯機・乾燥機の置き場について、一般的には、地下室が多いものの、まれに1階のキッチンからの導線上にある物件もあり、そのような物件は、日本人に人気と聞きます。
まとめ
よく言われることですが、不動産を選ぶ際は、全ての理想を叶えるのは無理なので、希望の優先順位をつけることが、重要です。
たとえば、日本風の「お風呂」が絶対条件なのであれば、あらかじめ、そのような物件を抽出して見学した方が、効率的です。
一般的には、あまりクローズアップされていないですが、「水害リスク」については、優先度を高めることを、お勧めします。ひとたび水害にあうと、駐在員本人のみならず、家族も巻き込んでしまうため、このリスクは、最小化すべきと考えます。
NY郊外では、日本と比較すれば、遥かに素晴らしい住環境を手に入れることができますので、素敵な物件に出会い、「夢のような生活」を謳歌できることを、祈っています。