【理事会のすすめ】マンションの管理組合・理事会の活動①【自らの資産の状況把握】
前回は、僕が、悩み抜いた末、契約住戸を上層階に変更したあと、ついにマンションが竣工し、「内覧会」に参加した時の体験を、述べました。
<参考記事>
【ホームインスペクターの同行・立ち合い】マンション内覧会の体験談【防音性能の確認】
今回からは、いよいよ、マンション管理組合での活動について、語りたいと思います。
僕は、「生活圏を変えなくてよい近隣に、新築マンションができた」という単純な理由で、「資産価値」や「住み心地」についての、十分な不動産知識を得ることなく、マンション購入契約を締結してしまい、非常に大きな悩みを抱えることになりました。
その苦悩の過程で、巨大マンション掲示板「マンションコミュニティ」や、様々なマンションブロガーのブログを、日々徘徊することとなり、マンションマニアの世界に、足を踏み入れていくことになります。
マンションへの入居後、管理会社から、「管理組合」の「理事会」の、第1期メンバーが募集されたとき、すぐに立候補することを決め、その後「理事長」に選任されることとなりました。この経験を通じて、マンションの「管理組合」の世界でも、マニアックな世界に浸っていくことになります。
管理組合・理事会
初めてマンションを購入する人の多くは、「管理組合」と「管理会社」の区別がつかないと思います。
<参考記事>【頂点に君臨するデベロッパー】マンション分譲事業の登場人物たち【中古でも重要なブランドネーム】
「区分所有法」に基づき、マンションの区分所有者全員で組成し、マンションの運営管理をする組織が「管理組合」となり、「管理会社」は、その業務委託先にすぎません。
マンション購入者は、マンション運営の意思決定の主役は、自分たち「管理組合」であるとの意識を持つ必要があり、その最高の意思決定の場が、「管理組合」の「総会」となります。
また、「管理組合」を円滑に運営するための機関として「理事会」があり、「理事長」をはじめとする「理事」と「監事」で構成されるメンバーは、「管理組合」の「総会」で選任されます。
「理事長」は、「管理組合」の「理事会」の中でも、最重要のポストとなり、マンションを代表して、契約書や週報にサインすることになり、「管理会社」とも、頻繁にコミュニケーションすることになります。
理事会メンバーの立候補
「管理組合」の「理事会」の候補者の選定方法は、マンションにより、様々な形式があるようですが、僕のマンションの場合、立候補制となっていました。
僕は、マンション購入の契約締結後、非常に苦悩した経験を通じて、マンションマニアへの道を進んでいたこともあり、「管理組合」の活動にも、興味がありました。また、大金をはたいて購入した「資産」について、自ら、運営管理状況を把握したいとの思いもあり、「理事会」に立候補することとしました。
僕のマンションは、100戸規模で、ファミリー向け住戸が大多数であり、大手町や丸の内、霞が関にアクセスが良いこと、近隣に大学や大規模病院が多いこともあり、立候補者の属性もそれを反映したもので、家族持ちの、大手企業会社員や、国家公務員、医師、弁護士、大学関係者などでした。
ある週末の午前中、マンションのロビーに、立候補者と「管理会社」の担当者が集まり、「理事会」での役職を、事前に決めることとなりました。「副理事長」や「監事」は、比較的簡単に決まったものの、「理事長」がネックとなり、皆が尻込する中、視線が僕に集まるようになりました。
僕は、マンション管理に対する興味が高まっていたこともあり、「理事長」を引き受けることとし、そこから更なる、苦悩とマニアの世界に進むことになりました。
設立総会
「理事会」の立候補者が決まってから、数週間後には、「管理組合」の「設立総会」が、近隣のコミュニティセンターの会議室で、開催されました。
「設立総会」では、マンション管理を本格的にスタートするにあたり、管理会社の選定や、管理規約・細則の承認、理事会メンバーの選任に加え、事業計画の承認などが行われます。
管理会社の選定
「管理組合」は、マンションの運営管理業務の大部分を「管理会社」に委託します。
新築マンションの場合、「管理会社」は、デベロッパー系列の会社が事前に定められており、物件販売時の概要にも、「区分所有者全員により管理組合を結成し、〇〇管理会社に委託」との記載があります。
「設立総会」では、事前に定められた「管理会社」を、正式に選定し契約するための、決議を行います。
なお、契約更新時には、「管理組合」の意思決定があれば、他の「管理会社」にリプレイスすることも可能ですが、それについては、難しい論点もありますので、別の機会に語りたいと思います。
管理規約・細則の承認
マンションでは、「区分所有法」に基づき、「管理規約」と呼ばれる、マンション管理に係る規約が制定されます。また、「管理細則」と呼ばれる、より細かいルールも規定されます。
最初の「管理規約」や「管理細則」は、デベロッパーが持つ雛形をベースに、ドラフトされているため、「設立総会」で、形式的ではあるものの、これらの規約・細則を決議することになります。
これらの「管理規約」や「管理細則」は、「総会」の決議により修正することも可能であるため、後に、マンションの実態に応じて、修正を検討することも、「理事会」の重要な役割となります。
理事会メンバーの選任
「管理組合」の執行機関である「理事会」の、第1期メンバーについても、「設立総会」で決議されます。
事前に立候補者を募り、役職を決めている場合、形式的な決議にはなりますが、「総会」で承認されることで、正式な「理事会」のメンバーとなります。
僕は、この決議により、「理事長」に就任することとなり、「総会」や「理事会」の、議事進行を行うこととなりました。
事業計画
マンションを管理するうえで、最も大事なのは、区分所有者から、どのようにお金を集め、それをどのように使用し、マンションを運営管理するかという点です。
マンションの会計には、毎年の管理に係る費用を報告する「管理費会計」と、将来の大規模修繕に備えた積み立てや支出を記録する「修繕積立会計」があり、それらの計画を、事前に「総会」で承認する必要があります。
「設立総会」では、基本的に、デベロッパーが作成した「管理費会計」や「修繕積立会計」の計画を、決議することになります。
ただし、これらの計画は、マンションを健全に管理するうえで、非常に重要な要素となるため、「理事会」において精査し、予実管理を行ったうえで、必要に応じて、「総会」で修正していく必要があります。
まとめ
今回は、僕が、新築マンションに入居後、「理事会」のメンバーに立候補し「理事長」となり、「設立総会」を経験した話を、語りました。
自ら、「管理組合」の「理事会」で活動することは、大金をはたいて購入した、マンションという「資産」について、より深く理解することに、つながります。
「理事会」で活動することの、苦悩は多いものの、「理事会」が立候補制のマンションであれば、是非、自ら手を挙げて、その活動に参加することを、おすすめします。
さて、次回は、マンションの、設立第1期の「理事会」として対応すべき、「管理費会計」「修繕積立会計」の適正化と、「アフターサービス」について、語りたいと思います。