【海外赴任時】日本における税金の留意点①【ふるさと納税】

前回の税金カテゴリーでは、日本を出国する年は、出国までは「居住者」として全世界所得に課税され、この所得について確定申告が必要、と学びました。

<参考記事>【駐在員】日本での確定申告方法【納税管理人】

この確定申告において、前年までの「居住者」と同等、と考えてしまうと、思わぬ落とし穴にはまってしまうのです。

一番気を付けるべきは、ふるさと納税です。多くの会社員が、ふるさと納税を利用していると思いますが、その仕組みは、ふるさと納税として、寄付という形で、特定の自治体宛てに支払い、この寄付金のうち、2,000円を超える部分は、本来負担すべき国税・住民税から、のちに控除できるというものです。

問題は、国税については、その年に所得控除できる一方、住民税は、翌年1月1日に日本に住所を有する場合に限り、前年所得に基づき課税されるため、実質的に、ふるさと納税を通じて、翌年の税金を前払いしている点です。つまり、海外赴任で日本を出国すると、その翌年は、住民税が不要となるにも拘わらず、ふるさと納税という形で、本来払わなくてもよかった税額を寄付してしまったことになります。

また、国税部分についても、不利な扱いになる場合があります。海外赴任者は、日本にいた期間が短い分、通常の年と比べて、少ない所得・低い累進税率を基に限度額が算定されるからです。海外駐在する人は、もとから高所得な会社員である場合も多く、何十万円も限度額を想定していたものが、思わぬ損失となる場合があるのです。

僕は、海外赴任の「リスク」を勘案し、ふるさと納税は、年の終盤になってからするようにしていました。年の後半になると、人気の返礼品は、どんどん品薄になって行くのが、悩ましいですが。

次回の税金カテゴリーでは、出国時の日本税務上の更なる留意点として、住宅ローン控除や、医療費控除について、述べたいと思います。

<次回記事>
【海外赴任時】日本における税金の留意点②【住宅ローン控除】

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