【サーファーの車】ニューヨークのサーフィン事情③【ピックアップトラックは注意】
前回は、ニューヨークのサーファーの属性や、ロングボートとショートボードの比率などについて、語りました。
<参考記事>
【ロング vs. ショート】ニューヨークのサーフィン事情②【サーファーたちの属性】
今回は、ビジターサーファーの必需品である、車について述べたいと思います。
日本では、サーファー車の代名詞といえば、ハイエースだと思います。特に、海まで距離があるビジターサーファーにとって、早朝やラウンド間の仮眠、車中泊などを想定し、荷台をベッドに改造し、電動シャワーを備え付けているハイエースは、大人気です。ナンバープレートは、かなりの確率で「1173」で、少し変形バージョンの「7314」「7351」などもあります。僕の印象では、ハイエースサーファーの割合は、海へのアクセスに比較的恵まれた関東より、関西の方が、より高い気がします。
一方、全国共通なのが、ローカルサーファーたちの愛車で、軽トラや軽バン、時にはプリウスなどの、経済的な車が主流で、平日の仕事前や仕事後の時間帯に、颯爽と現れます。陸における車の価値と、海の中でのサーフィンスキルが、反比例することは、よくあることです。
僕は、日本にいたとき、3ナンバーのミニバンを所有しており、海のみならず、家族での移動にも、とても重宝しました。車内の天井が高いのが利点で、アシストグリップを利用し、棒二本を横方向に設置することで、ショートボード2本まで、天井付近に固定した状態で、家族もちゃんと着席することができました。また、後方のシート2列を、フルフラットにし、仮眠をとることができるのも、大きなメリットでした。
ニューヨークの海に入るようになり、周りのサーファーたちの車を観察してみると、日本のハイエースや軽トラのような、特定の傾向はないように、感じました。当地では、「背の高い箱型の車」は、AmazonやFedExなどで使用される商用車のみで、一般目的では、その様な車は使用されないというのが、日本との大きな違いです。しいて言えば、陸と同様、海でもSUVを見ることが多いのですが、ピカピカの新車よりは、型落ちのフォード・エクスプローラーなどの割合が、少し多い印象です。一方、セダンやワゴンで、海に来ているサーファーもたくさんいます。ニューヨークの場合、海までの距離が比較的近いので、移動空間を重視するサーファーは、そこまで多くないのだと、想像します。
僕は、車を購入する際、当然のように、サーフボードの中積みを念頭に、車種を検討しました。いずれも3列シートの、SUVとミニバンで迷ったのですが、ミニバンとはいえ、日本のように広大な頭上空間がある訳ではないこともあり、運転の楽しさを重視し、SUVを選びました。SUVであっても、2列目と3列目のシートを倒すと、ショートボードを運ぶには十分なスペースが確保できるため、一人で朝一の海に向かう分には、事足りています。
アメリカのサーファーというと、ピックアップトラックをイメージする人も、多いと思います。確かに、僕がカルフォルニアにいたころは、Toyotaタンドラや、Ford F-150の荷台にサーフボードを詰め込んで、海にやって来るサーファーを、よく見ました。一方、ニューヨークの海で、そのようなサーファーを見ることは、滅多にありません。
知人から聞いた話では、アメリカにせっかく来たのだからと、フルサイズのピックアップトラックを買ったところ、彼が住むGated Communityの住民から、「場にふさわしくないので、車を替えるように」との、通達が来たそうです。アメリカの中であっても、ピックアップトラックを ”Cool” ととらえるところと、そうではない場所があるようなので、特に、東海岸でのピックアップトラック選択には、注意した方が良さそうです。
次回も、引き続き、ニューヨークのサーフィン事情について、語りたいと思います。